ブルーの世界へ
高校時代とは違い就職したら
少しの自由を手にしていた。
それでも家の事情は相変わらず
心晴れる日はなかった。
そんな中、サーフィンと出逢った。
あの家から飛びでて見た海のある世界。
車を走らせ到着した海岸
そこには見たことのない海が美しく広がっていた
視界めーいっぱいに広がる水平線
鮮やかなブルーが目の奥を刺激した。
水平線を挟んでウルトラマリンブルー(瑠璃紺)
とめどもなく続き途中、色が変わるブルー
波がアクアブルー(水あさぎ色)
波が崩れできた真っ白の白泡
波のうねりが影をつくりまた色変え連なっている
空はスカイブルー(み空色)白い雲が浮かび
太陽から降り注ぐ光の粒子が
黄金を撒いたかのように光の道ができていた。
そして耳から聞こえてくる
ザァッパーン ザ ザ ザァッパーン ザ ザ
心に被さってくるような波の音
鼻から一気に潮の香りが胸に優しく広がっていく
何もかもすべて、消え去っていくような気持ち
五感のすべてが過去も未来もなく
「今、この一瞬」を感じていた。
いざ 海へ
ラムネのような水面がキラキラと輝やいていた。
サーフボードに腹這いなり乗り
手で波をかき波のタイミングをあわせ乗る
何度何度置いていかれたり乗れたりしていた。
楽しさがこみ上げてくる
少し沖からのチャレンジ
波に飲み込まれて洗濯機の中の洗濯物のように
地上では決してすることのないような格好で
ぐるんぐるん身体をまわされる
息ができない、今海の海底にいるのか
水面に向かっているのか、わからない。
「く る し い」
身体がもがき始める。
「早く、早く息が吸いたい」と
海面から顔が出て息を大きく肺に入れた途端
また次の波が私をぐるんぐるんと
投げ飛ばされる。
ようやく足が砂の感触を捉えた
「あー良かった。」と胸を撫で下ろすと同時に
人生初めての気づきがやってきた。
「あれー、私あんなにしにたかったじゃないの」
「逃げ出したかったじゃないの」
今、必死で生きようとした。
今、私、生に必死にしがみつき
自分の持っている力を最大限使い
今、生きたい、生きるって思ってた?
というよりも身体が生きるって決めてる。
私の脳で思考するより先に身体が勝手に決めた。
生にしがみついた時
そこには神がいたように感じたんだ。
これが私のサーフィンとの出逢いでした。
ここから私の悟りのような波乗り道が
始まっていくことになった。
素晴らしいサーフィンへの扉とともに