海にいた神

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神を感じたあの日

自然の中に存在する神を感じた時に

幼なき日の記憶が甦ってきた。

冒頭でもお伝えしたと思うのですが

神主の娘だったことを長い間、

私自身も忘れていた。

神様から、見捨てられたような世界

モノクロの世界にいた私は

自ら神を求めることを辞めていたんじゃないだろうかと思ってんだ。

海で過ごす時間を通じて少しずつ 

神との繋がりを思い出していく。

神社の境内が遊び場だったこと。

神社の床下に潜り混んで

真っ暗中1つの光を目指して

ほふく前進で進む

女の子のガキ大将で近所の子何人も

引き連れて遊んでた。

そんな中、1つの体験を思い出した。

今思えば、奇跡といっていい経験なのかも

しれない。



小学校一年生の初めての運動会

私はせっかちな性格で母はおっとりとした人で

運動会の日も待っても待っても来ない母を

迎えに行こうと空いたままの裏門から飛びでて

田んぼの畦道を走っていった。

道のりの半分あたりまできた頃

急に、オシッコがしたくなり

辺りをキョロキョロ 誰もいないな へへへ

田んぼの水路にかかった石でできた橋から水路へ

立ち上がりパンツを上げようとした時

不安定な石の橋から滑り落ちた。

 ザッブーン ブクブク

水の中で目を開けると周りには

草がユラユラと揺れていてとっても綺麗な水

次の瞬間 「ヤバい‼️」

手を上げると水面より手が数センチ下にあり

手が水面に出ない

「ヤバい‼️」

「このままじゃー死ぬー」



「助けてー‼️神さーん!!」って

心の中でめーいっぱいの声で叫んだ。 

その次の瞬間

私の手目掛け、大きな手がニョキッと出てきて

ガッシと捕まれ身体ごと引っ張りあげられた。

「ゴホゴホ ありがとうございます」

見上げるとその人は太陽を背にしていて逆光で

顔が見えない

「大丈夫?」と優しく声をかけてくれた。

その女の人の後ろにもう1人女の人がいた。

私は助かった喜びよりも

「いけーん。運動会の体操服、びしょびしょ

 じゃけー怒られる」ってまた田んぼの畦道を

走り出した。



「でも、おかしいなぁ。人いなかったから

 オシッコしたのに」



ふと立ち止まり、振り返ってみると

二人の姿はなかったんだ。

田んぼの真ん中に、ひとり 私1人

遠くに聞こえる運動会のザワザワした音…

その時気にも止めずに、もう頭の中は

どうしよう怒られる❗ってことだけで

のちに怒られたのか、遅刻したのか記憶には

ないんだけど。



切り取ったかのように、その記憶だけが

ハッキリと覚えている。



海で神を感じた日から少しして母に

確認したくなった

あの運動会の日のこと。

母に話したのは初めてだった。女の人に助けてもらったこと

びしょ濡れで帰ってきたからよく覚えてると

よくよく母と二人で話し記憶もすり合わせていく

田舎の村だったのでお転婆で有名だったらしく

神主の娘を知らない人はいないって

もし遠方から見に来た人がいても話にはなるから

母の耳には入ってくるはずと。

「あの後大丈夫だった?」と…。



大人になって考えた時に思うこと

もし、神さーん!って叫んでなかったら?

「助けて!お母さん!」だったらどうなってた?

逆光で見えなかったのは神さんやったから?

お礼して走り出した私を

大人になった私なら家まで送り届けるかも?

あんな振り向いてすぐいなくなることある?

もし神さんの導きによって人が助けてくれたにせよ、あんな奇跡的なタイミングってある?



改めて、                    神と言う存在を考えるようになっていった。



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